沈黙法廷 最終回
WOWOWドラマにしては、最後祝福をもって送れる仕上がりになっていて、
見心地が良かったのが率直な感想です。
美紀(永作博美さん)を弁護するうだつの上がらない弁護士(田中哲司さん)は、最終弁論の時には、真剣に熱心に弁護をする弁護士の顔になり、その熱意ある言葉は、
彼女の沈黙を解くきっかけとなり、そして、彼女を信じ抜いた弘志(市原隼人さん)の美紀を救いたい、好きだという気持ち、彼女は毒婦でも悪女でもないと信じぬいた気持ちを込めた言葉が彼女の凍りきった心を溶かします。
それは、まるで、法廷台の上で、自分のダメな部分をさらけ出し、信じたい気持ちに手を差し伸べるような、愛を叫び合うかのようでした!!
このドラマで伝えたい事はなんなのか!?
真犯人は誰なのか!!まとめます。
矢田部弁護士(田中哲司さん)が、彼女が答えたくありません・・・と沈黙を始めたその時に、言い放った言葉が胸に刺さります!!
『黙秘で守られる物が、有罪になることよりも大事だなんて事があるんですか!!』
弘志(市原隼人さん)は、美紀(永作博美さん)が人生を放棄する為、
心を閉ざし有罪になろうとしている事に対して、
愛する人に最後の手を差し伸べるため、法廷台の上にたちます。
彼女はいつも真剣だった
どうか、諦めないで・・・
この言葉が、美紀(永作博美さん)の心を溶かし、
これまでの人生を、真実を語り出します。
彼女は、ご両親を早くに亡くし、祖父母に育てられた事。
自分が新しい家族を作ったけれど、それもなくなってしまった事。
自分は人を不幸にする人間だと思い始め、
看護師をした時、担当のご老人がなくなった事に、深く傷つき、
自分のせいだと言われ、本当にそうなのだと思うようになった事。
家事手伝いをしていた老人達が、次々に死んでいく事で、自分は人を不幸にする人間なのだと、思うようになり、偽名と使い、新たな自分になりたかった心情を語りました。そんな矢先にであったのが、弘志(市原隼人さん)で、まっすぐに自分を想う気持ちが嬉しくも有り、失う事への恐怖へとなっていった事。
家事代行をしていた馬場(北村総一朗さん)の寂しさを感じ取り、気持ちが分かる美紀(永作博美さん)は、弘志(市原隼人さん)を裏切り、馬場の寂しさへ寄り添う事を選ぶのでした。
馬場は、両親が死んだ後に親身になって育ててくれて祖父に似ていた事。
箱根旅行中に、心臓発作状態になり、急遽旅館で宿泊をすることになり、
寄り添う美紀。
弘志を裏切り、馬場の淋しさへ寄り添ってしまった美紀は、彼の元を去りました。
弁護人最終弁論
山本さんは孤独な老人に寄り添っていただけなのです。
警察と検察が見込み捜査を特化し、警察の派閥競争と、それに乗っかったマスコミが炎上させた物で、こんな事で冤罪を生んではならないのです!!
被告人最後の言葉
私は、この手で馬場さんを抱きしめました。
でも、私のこの手は、馬場さんを殺していません。
もし、私が罰を受けるとするなば、
希望を捨てた事です。
高見沢さんがまっすぐに示してくれた希望を、
この手て捨て去ったその事です。
被告人無罪
伊室刑事(杉本哲太さん)と部下の西村刑事(臼田あさ美さん)は、
美紀(永作博美さん)が犯人だと決めつけた捜査に疑問を持ち、
二人だけで捜査を続行していました。
真実は、馬場(北村総一朗さん)を殺したのは、
息子だった。
感想まとめ
犯人が息子だったなんて、ここまで連続殺人犯としてマスコミが囃し立て、
ほぼほぼ有罪に追い込まれそうな話だったのに、チープ過ぎやしないか!!
とは思ったけれど、このチープさと、毒婦、悪女と囃し立てられた事との差をあえて激しくし、冤罪を生む捜査や、決めつける検事、マスコミへの痛烈な批判が込められているのではないかと思います。
最後、フェリーで、
二人の微笑ましい笑顔で終わり、航路を渡る船が描かれて終わりました。
二人のこれからを描いたような、とても綺麗な映像でした。
ロケ地となったフェリーはどこの船?
東京フェリーしらはま丸。
久里浜港と金谷港を結ぶ航路です。